Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

寒い空に「居待月」

2018年12月24日 23時22分42秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 「観察力を磨く名画読解」の第1章と第2章。話体で少々饒舌すぎる叙述である。読み易いのかもしれない。上からの目線が気になる叙述であるが、読み始めたので最後まで目をとおす予定。

 本日は月齢17の「居待月」。22時近くに東の空に上がっていた。夜のウォーキングに出かけたときに気がついた。雲が周りを囲み、寒く無ければしばらく見上げていたかった。強風注意報が解除されたとはいえ、まだそれなりに風がある。ダウンのコートの下にセーターを着こんでいても風が強く寒かった。明日の朝はかなり冷え込みそうである。
 明日の最低気温の予報は4℃。濡れていれば凍結間違いない。最高気温の予報も10℃、よこはまにしてはとても寒い。

★聖樹の灯みなとのあかりに月隠る    菅原 涼
★冬の月ビルの窓より三つほど      遠藤誠三

みなとみらいのライトアップ

2018年12月24日 20時42分07秒 | 日記風&ささやかな思索・批評


 夕方になり、妻から突然に「「みなとみらい」でライトアップを見に行きたい」とのリクエスト。人出がかなり予想されるし、寒い、さらにその気にはならなかったが、余り意固地でも嫌われるので、とりあえず行くことに同意。
 クリスマスの繁華街、それも若いカップルが大勢集まるところなど結婚してからいつ行ったろうか。まるで記憶がない。

 横浜駅東口から赤レンガ倉庫行きのバスが出ているのに気づいて乗車。途中窓の外のイルミネーションで飾られたみなとみらい地区を横断。マークイズ、クイーンズタワー、ランドマークタワー、横浜美術館、国際展示場などを見ながら赤レンガ倉庫に着いた。若いカップルと小さな子供を連れた家族で広い赤レンガ倉庫付近はごった返していた。シーバス発着場を一目見ただけで、電車道をブラブラしながら桜木町駅に戻った。やはり私が行くところではなかった。

 桜木町駅前のスペイン風のレストランで食事をして帰宅。ワインもビールも飲めず、さびしかったが、パエリアとラザニアを注文。分け合って食べた食事は美味しかった。

 食事をした近くにあるパン屋さんで朝食3回分ほどのパンを購入。苺のショートケーキを買いたいとのことであったが、一切れ600円以上という「クリスマス価格」に妻もビックリ。諦めて、家の近くの駅前のコンビニで二切れで450円ほどのものを購入してきた。苺のショートケーキと紅茶という組み合わせのデザートで本日の食事は終了。

 やはり私にはクリスマスは似合わないし、避け続けたいものである。だが、身内に誘われると断れない。

読み終わった本「受胎告知」(高階秀爾)

2018年12月24日 11時55分31秒 | 読書


 本日読み終わった本は「《受胎告知》 絵画で見るマリア信仰」(高階秀爾、PHP新書)。一見ごく優しい入門書である。しかし私の知らなかったこと、知っていても関連付けが出来ていなかったこと、それなりにあった。
 私の西洋の絵画についての知識は、素人があちこちの書籍に目をとおして得た知識であるので、体系だったものではないことがすぐにばれてしまう。この著者のような方の著作を読むと、自分の知識が如何に中途半端なものか、理解できる。そういった意味では貴重な作者である。
 特に最後の3つの節、バロック以降の叙述は私の頭の整理に役立った。

「18世紀にも優れた《受胎告知》が描かれなかったわけではないが‥キリスト教絵画はゴシック時代以来の勢いを失っていく。17世紀中ごろから静物画や風景画、肖像画などが‥大きな位置を占めるようになるにつれ、やがて神秘や奇跡といった表現は後退せざるをえなくなった‥。(力を強めた)市民たちは荘重でいかめしい表現よりも感覚的で軽やかな作風を好んだ‥。」
「その中にあって、1848年にラファエル前派は‥初期ネルさん巣美術を模範とする主張を唱えた。ロセッティはあえて《受胎告知》を描いた。‥(白いベッドから)たったいまおき上がったばかりのようなマリアが表現されている。大天使ガブリエルが唐突にやって来て、驚いて目覚めたニュアンスをごく日常的に描きだしている。マリアも大天使も一般人のように描かれている。‥バーン=ジョーンズも《受胎告知》を描いている。」
「1833年から40年頃にかけて、イギリスではオックスフォード運動という新しい宗教の動向があった。当時の自由主義的な風潮に異を唱え、教会の歴史的権威をあらためて見直し、典礼を重んじようとする復古運動である。ラファエル前派が《受胎告知》をはじめ聖書を主題とする絵画を多く制作したのは、このオックスフォード運動が背景にあった。また20世紀になるとフランスで宗教芸術再興運動が起きる。その中心的存在は、フランスの‥モーリス・ドニ(1870-1943)である。‥ドニの《受胎告知》は、清明な色彩による落ち着いた平面構成で穏やかな一作である。」

 最後の節で、20世紀の作品はウォーホルなど《受胎告知》には宗教的な意味は認められない。ゲルハルト・リヒターなども造形的探求の手がかりとして引用しているに過ぎない、と記載している。