Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

枯山

2018年12月27日 23時21分01秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 本日いつもの1000円の理髪店に行ってきた。まずは18人以上も並んでいるのにはびっくり。皆年内に髪を整えようとしているのだろう。また冬休みになったのだろう、中高生と思われる人も並んでいた。外の椅子で待つよりはしばらく様子を見ようと、本日2軒目の220円の喫茶店へ。ここでも読書タイム。1時間半ほど時間をつぶした。
 横浜駅の地下街は正月用品の買い物であろうか、買い物客でかなりの混雑。書店も人が多かった。書店を一回りして再び理髪店に行くと並んでいるのは10人に満たなかったので助かった。いつものとおり5分ほどで終了。残念ながら2月から1100円へ100円値上げとのこと。
 周囲は1ミリのバリカンで刈上げ、天辺は長いところで4センチほどにしてもらった。先月よりも頭がつめたく感じる。ただし洗髪も楽だし、手入れも楽そうである。
 冬枯れの山のような頭になっている。

 昨晩に続いて、「枯山」から。
 「枯」という言葉は静寂と親和性があるが、同時にそこから聞こえてくる音は、凛とした透明感のある音から、不気味な自然の驚異を予感させる音まで、幅が広い。

★鶴啼きて枯山は枯深めけり    古賀まり子
★枯山を越えて海鳴り早う寝む   八木澤清子
★枯山にはるかひとつの葬を見る  飯田蛇笏



読み始めた本は「白隠禅画をよむ」(芳澤勝弘)

2018年12月27日 21時27分51秒 | 読書


 本日出かけるときにリュックに詰めた本は、図書館に返却する「観察力を磨く名画読解」と、本棚からひっぱり出した「白隠禅画をよむ -面白うてやがて身にしむその深さ」(芳澤勝弘、(株)ウェッジ)。
 2012年の刊行であるが、多分古書店で100円か200円で購入したような記憶があるが、定かではない。1400円+税となっているので、定価で購入すれば1470円だろうか。ページはすっかり茶色に変色してしまっている。

 絵画を読み解く、という点では「観察力を磨く名画読解」よりも読み易い。むろん読み解く対象の絵画作品が重なり合わないが、前者はセミナー形式で、しかもテロ対策の護身のためのハウツーものである。絵画とテロ対策、要するに観察力と分析力の養成のための教科書。
 「読み解く」ことが日常生活での異変に対処する注意力の涵養になるかという「効能書き」が随所にちりばめられていて、読み始めたことを後悔する。「読み解く」ということを学ぶためという意志がないとつらいところもある。

 喫茶店で読み始めた。叙述は読み解くための解説に絞っているので、「感の持てる本であるし、白隠の作品が良くわからない私にはよい入門書である。もっと早く読む機会を持てばよかったと反省中。こちらは私のおすすめ本ということにしよう。

枯野・枯園・枯れる

2018年12月27日 11時39分17秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 スケジュール帳には2日までの予定は空白。しかし記載はしていないが少しだけ予定はある。まず本日は図書館に先週借りた本の一端返却、そして理髪店。正月2日は親族との会食。これは特に記載はいつもしていない。

 図書館近くの喫茶店でサンドイッチでも食べながら、借りた本の第1部までのあと数ページは読んでしまいたい。返却後は特に読書の予定はない。これより本棚を漁ってみることにする。

★吾が影の吹かれて長き枯野かな       夏目漱石
★土手を外(そ)れ枯野の犬となりゆけり   山口誓子
★つひに吾も枯野の遠き樹となるか      野見山朱鳥
★わが胸を暖かかにして枯るる園       阿部みどり女


 枯れる、枯野、語の響きも、風景も好きな季語である。枯野と対する人の感慨は不思議である。枯野の蕭条とした風景がそのまま意識に作用する人、逆に心が温かくなる人、凛とした雰囲気を思い浮かべる人、さまざまである。時間軸を放り込めば、春を待つ心境になるし、衰えの道行を想定することもできる。それが枯野の魅力である。