前半が政治集団における政治論にだいたいを費やし、こりゃあきつい演劇だなあと思っていたら、後半はがらりと変貌し、集団の人間の中身をじわじわ見つめてゆく。
その展開は見事の一言。演劇集団でも政治セクトでもそうだが、そこに男女の恋愛が入ってゆくと、どろどろの人間模様が発生し、集団を形成していた本質が変質してくる。
男と女の4角関係が露見し、それぞれが悩み乱れるところはこの劇の中でも白眉のシーンである。感動する。
そんな泥臭いところを後半はテーマに据えて、それでも集団は解散することなく生き延びることもできるという生体論を述べる。
ラストは不覚にも涙溢れ、アンケートを書くにも時間がかかり、劇団の方に不審そうに思われる始末。
でも素敵な一日であった。これだから演劇はやめられない。
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