高校生時代から30年間のかれら(男2・女1)の人生を辿る青春映画。うーん、いかにも甘酸っぱいそして苦さの残る人生をしかと見る。
3人のそれぞれのカップルといっても今までのカップルでないところがこの映画のミソである。男A→女B→男Cまでは普通の関係だが、この映画は何と男C→男Aであるのが後半あたりから分かって来る。そして男Cが一応話の中心でもある。
女Bは恐らく生まれもよくないのであろう、母親は一応場末の歌手ではあるが、子供を捨てて男と駆け落ちするような環境下に生を営んでいる。男Cをずっと忘れられないが、それでもいつの日か求愛された男Aを好きになり、しかし結婚生活は出来ない日陰の位置に甘んじている。
男Cも別の男を好きになるが、彼は結婚生活を営んでいて子供までいる。彼もいわば日陰の身だったのである。男Cは本当は男Aをずっと好きだったが、言いだせないないまま歳月が過ぎてゆく。そうした中、女Bは男Aの子を妊娠し、しかも同時に悪性腫瘍に冒されたことに気づくのだった、、。
ストーリーを書いたら単純であるが、彼らの人生には常に台湾の社会情勢が影響し合っている。日本でもあった学生運動らしきものが台湾にも存在していたことに我々は気づく。
気がつくと男Cはすでに中年の容貌になっており、双子の高校生の父親でもある。僕たち観客も映画を見ている2時間の間に人生の歳月を経験していることに気づくのだ。
高校生だった自分自身が高校生の父親になるということ。あっという間に歳月は過ぎゆく。そして青春という甘い香りもいつしか失ってゆく、、。
映画は、実に2時間で人生をあぶりだし、生きることの意味を問う。でも意味など本当はないのだ。あるのはそれぞれの人間に関わった時間だけなのだ。でもその時間もその人間の消滅と共に消えてゆく。それが歳月というものだ。
なーんて、久しぶりに考えちゃいました。少し甘いけれどいい映画です。
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