このスポーツど根性物はステタイの定番であり、いわゆる「またか」というイメージでもあるのだが、やはりステタイの原点であり、どうあがいてもここに戻ってくる代物なのだ。
総勢何名が出演したのだろうか、20名近い俳優たちが所狭しと走り回るのである。疾駆しているのである。若い人もいればそろそろ中年と思われる人もいる。でも全員同じ気持ちで走っている。そしてそれは俳優たちのそれぞれの生の声なのである。
それが伝わるからステタイに通い詰めている。年齢にかかわらず、目の前の人生に悩み、喜び、泣く。それらに年齢の壁はないのだ。
アミジロウ、今回も頑張った。セリフも抑え、体で自分を表現しようとしている。今回の舞台で吹っ切れたのではなかろうか。身体をを酷使し、2時間疾駆していた。
脚本的には新しいものはない。しかし、こういうように久しぶりに原点に戻ってきた演劇というものは実に気持ちのいいものだ。親子、世代を超えた大きな時間軸をポツンと提示したラストも詩情があったね。
まだまだステタイは走り回るだろう。そしてそれを見つめる観客たち。そして僕。ふと時間の経過を考えてしまう。
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