映画を見るとコメントを書く。ここずっと実はこれが苦痛になっている。なるべく見た週に処理するようにしているのだが、大変なのである。どうでもいい作品は気軽に書くことができるが、いい作品に出くわすと躊躇してしまう。その感動を伝えたい何かが生じるのである。これでも昔は見たその日にはコメントを書いていた律儀者だった。年と共に堕落しているかなあ、、。
9/10。朝から心斎橋のシネマートへ。この映画館は六本木のシネマートと提携館であり韓国映画上映が多い。秀作が多い韓国映画、自然と足が向く。今回はソン・ガンホ主演ということで注目している『凍える牙』。冒頭の発火殺人シーンはおおっと思ったが、後は全体にだらけて中途半端な出来。ガンホもそろそろ作品のピークが過ぎたのかな。こんな映画に出ていてはだめだ。
昼食は3Fのサイゼリアで。女子高生からサラリーマンまで今や大衆イタめし屋。でもここが結構一人でも入りやすいし、何よりIPADが使えて便利。但しランチはお勧めできない。通常のメニューから選ぶべき。
午後難波へふらふら歩く。映画はいい作品にめぐり合うとその日は1本で終わりにしている。しかしちょっと残念な出来だったのでもう1本見ようと即思い立つ。ところが時間的に難波ではいい映画がチョイスできない。何とまた心斎橋のシネマートに戻ることになる。急ぎ足で10分ほど歩く。ぎりぎりの時間だ。
作品は『プンサンケ』。北と南の境界線を自由に往来する謎の男の話。この謎の男の顔つきが実にいい。日本人では見かけない昔の高倉健を彷彿させる風貌だ。全編言葉を一切発せず表情で心の演技をする。前半、監禁場所でのほとばしる女との切ない激しいキスシーンまではそこそこ見られたが、それ以降一挙にトーンダウンする。ちょっとまだ力不足か、、。
と2作、欲求不満気味の出来でファンとしてはやり切れない。こういう日は困る。最近映画を選別しているので実にめずらしい。
9/11。本日は日本映画。映画館はTOHO梅田。まずはいつも見ている『踊る大捜査線 ファイナル』。冒頭過去の作品の数々がオーバーーラップされていよいよこの作品も最後かと少々センチになる。ところがいつもの緊張感とワクワク感がない。なんか全体にしんみり調なのである。盛り上がらない。そして殺人犯の真相もいかにも人工的でこれではいけないと思う。こんなウソを描いてはいけないと思う。ファイナルにしてはお粗末な脚本に唖然。
またしても欲求不満気味。昼食は7Fの壁の穴。またイタリア料理。結構好きなんだよね。ここも店内でIPADが使える。デザート付のランチを注文してしまう。雰囲気はいい。
今日はこのまま買い物でもして帰ろうかとも思ったが、そのままでは帰れない変な性分。どうしようかと迷っていた高倉健主演の『あなたへ』を見る。これは最近NHKで撮影風景を別の角度から見て大いに関心を持っていた作品だ。
TOHOでも小さな小屋での上映館となったが、館内は満席状態。僕より年上の人たちも多い。映像は完全アナログ。BSなどでデジタル映像の粒子になれている僕はフィルムを意識した映像にはっとする。妻を亡くした男のロードムービーなのであるが、実に脚本が練られている。流されていない。実にしっかりと大地に足をのっけている。ラストはあっと驚くドラマを持ってきてなかなかの出来。初めて今週では納得できる映画。笑みが出る。
9/12。最後の夏休みを取る。みんなは仕事しているのに申し訳ないが本日は休み。選んだ映画は西川美和の新作『夢売るふたり』。これがストーリーからは想像できない人間の奥底に立ち入ったコワイ映画。レディースデイということもあって館内は女性たちで満席だったが、彼女たち、このコワい女をどう見るのだろう、、。さすが西川監督。彼女は男だ。もう女じゃない。
こういうすごい映画を見ると映画を見ていてつくづくよかったと思う。これが明日への生活の励みとなるのだ。
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