何とも自由で、すこぶる面白くハチャメチャなコメディ劇だ。作りは学生劇らしい雰囲気を残しつつも、その実、人間の見方が実に批判的で内省的であるのが、このお化け屋敷に集まったのが自殺サークルという名の面々であることからも明らかである。
90分ほとんど爆笑気味の劇なのだが、実はどこかで醒めた自分を見つめる複眼も持っているのである。あの臭いのする家。3日ほど住めば気づかなくなるが、初めての人には強烈に臭う。そこは戦時中、国家の元、何かに関わってきた人たちが地底人として抹消され、この汚い家に逃れ棲んでいる。でもその何と幸せそうなことよ。ラスト、それでも現実に戻ってゆく現代人がいる、、。
それにしても、14名ほどの俳優陣。あの狭い舞台にぎっしりと佇む風情は壮観であります。みんな芸達者な人たちである。ちょっとした寸劇を90分持たせるという芸は並大抵ではできない。大した野郎たちである。(いや、女性も4,5名いたので野郎とは失礼か)
演劇を本質から見つめ直し、これからこの現代において演劇はどこに行くのか、そんな志向を目指した演劇だったように思う。だって、あの爆笑の後に漂う後ろめいたものには何らかの残滓がある。思い切り突き抜けて明るくは決してならないのである。
そこに現代において抱える演劇の不毛が見えてくる。彼らはそれを模索している。頑張ったでしょうで、加点。
劇団不労社をはっきり意識したのは第二回名作戯曲公演『熱海殺人事件~ザ・ロンゲスト・スプリング~』。旗揚げ東西合同公演『下北スモーキンブルース』の時は既に観劇ジャンキーと化していたので知っていてもおかしくないんですよね。
今回の第三回公演 『生きてんだか死んでんだか』も知った時は行く気満々でしたが会場で止めることに。
出演者も(以下敬称略)
イトヲ
大崎詩織(劇団ちゃうかちゃわん)
沖野佑真(劇団六風館)
亀丸卓充
川原啓太(劇団ずぼら)
サンカー・ニヴェダ
清水咲歩(東洋企画/演劇集団関奈月)
田地翔太(演劇グループSomething)
茶髪
西田悠哉
松田義顕(劇団ちゃうかちゃわん)
円井ぼをろ(はちの巣座)
水野聡美
宮前旅宇(㐧2劇場/列島カメレオン)
村田千晶(劇団センマイる)
とこの世代の意欲のある役者が名を連ねておられる。私が好きな方も。。阪大豊中キャンパスが会場ならね。。
今日は劇団六風館『世迷言』を観に豊中キャンパスへ。女性が多い舞台でした。 中屋敷法仁(柿喰う客)さんの脚本でした。出だしは間が悪いところがあったり安定感に欠けてましたが途中からはかなり良くなって来ました。数人目を惹く方も。劇団六風館は関西の学生劇団の中ではトップクラスの技量の劇団だとあらためて感じました。
劇団六風館はいいですね。僕もよく行ってます。
風邪をひいて自嘲気味です。
それでは。