劇場に入ると客席は少々高段に設定されている。そのため舞台は少々俯瞰気味になっている。なかなか面白い位置取りで俄然期待を抱かせる。
そして劇が始まると、やはりこの位置はいい。狭いOVALが立体的で広く感じる。何より、客の頭の間を見るという苦闘を迫られることが全くなく、心地よく舞台を見ることができた。
そして出し物はある国の東と西に分かれた特務部隊の話である。チラシの空色は空を遊撃するときに見える空の色である。「自分は何を信じ何の為に飛ぶのか」。このテーマが全面に立つ。
彼ら若き役者たちも今、現代に生きていて多かれ少なかれこの人生の命題に対峙しているのだろう。まさに若き溌剌とした彼らの躍動感と汗とそして絶え間ない空を駆け巡る疾走感は限りなく美しい。青春の特権である。
1回生を抜擢して主要な役に当てた試みは成功している。セリフのとちりもなく、練習が十分だったことを伺わせる。佐々木役のドクトルさんのふてぶてしさがなかなか印象に残る。役者の素質はある。
次回も楽しみな劇団であります。
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