珍しく素敵な題名ですね。俳優陣からも旭川の清廉な空気感が伝わってくる。この手の話にしては樋口が半分ほど出てくれているのが嬉しく、結構バランス的にも話が流れず重心がしっかりしている。
きれいな話です。俳優陣もみんないい人たちばかりです。北海道の自然も美しい。特にヒロインの樋口は凛とした美しさが際立っている。しゃんとした姿勢を常に感じるというか、愛らしい強さを感じる。
だからこそ彼女が出す手紙が観客の涙を誘う。そう、結局彼女は全編出っ放しだった。ある意味彼女の映画でもある。
監督は朝原だから例の釣りバカの監督である。ということはスーさんの息子である佐藤浩市はそれなりに思い入れもあるのだろう。的確な演技で締めている。大きい演技である。
でもやはり何気ない演技の柄本明は映画的にもスケールがでかい。きれいすぎて今にも飛んで行きそうな映画の空気に重みをつける。あれだけの役にあのどっしり感は大した役者である。
最近年取って泣き虫になった。この映画ももう途中から泣きっぱなしだ。隣に人がいなかったら声を出したかもしれない。お恥ずかしい限りだ。でも、映画館を後にすると、気持ちは映画の北海道の空間のように浄化されている。この映画の空気感がたまらなくいい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます