鬼才ランティモス作品。「哀れなるものたち」が凄かったので、見る前から肩肘立てて見てしまったが、今回は意外やお気楽風で、またオムニバスということもあり、楽しく鑑賞する。
第1章。これがなかなか面白い。3章の中では際立って秀逸だ。カメラワークも整然としていてスタイリッシュ。人間の外側からだけではわからない内面の空虚さを描く。これは気に入った。
第2章。事故であきらめかけていた愛する妻が帰還する。しかし、どうも妻ではないようだ、、。グロテスクなシーンが2か所あり、眼を瞑るが内臓をえぐったエマ・ストーンのまなざしから彼女が正真正銘の妻であったことを伺わせる。夫の狂気。
第3章。何やら新興宗教が入ってきて我々も落ち着かない。ドタバタ感がお好きなんでしょうか、、。元夫・娘のまともさが狂気を感じてしまう逆裏現象。現代という時代そのものを俯瞰する神の存在。いや、逆だ。神がいない現代だからこそ疑似神が俯瞰するとこう見えるということなのか。
3時間弱は長いとは思いませんでした。ランティモスの目線は意外と穏やかでした。
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