冒頭、映画ツールのはじまり、根源的なモンタージュが示される。人生とはその役柄を演じることである様式の様々なエピソードが10以上も映像化される。人生とは虚飾であり、われわれが生きていることはすなわち仮面の世界である。そして映画はそれを虚像として我々に示す、、。
この映画は、人生とは、という人間を考察したものではない。ましてや人生の悲哀をつぶやいたものでもない。人間を通して100年以上描き続けた映画に関する想いを描いたものである、と思う。そしてそれは全編通じて臭っている映画の死でもある。
あちらこちらでしつらえている過去の映画へのオマージュは、けれども懐かしさよりむしろ絶望に近いものへと変質していることにわれわれは気付く。
フィルムの終わりが映画の終わりだなんて僕は思わないが、この作品にはカラックスの映画への哀切の思いが溢れているのだろう。それをどうのこうの言うつもりは僕にはないが、この映画を見て例えば映画って素晴らしいなあ、とかプラス思考に働くことはそうないだろうと思う。
絶望からは何も生まれない。やはり生きている人間には希望が必要なのだ。カラックスのこの映画の想いを理解できないではないが、それでも僕は映画に何かを信じたいと思うのだ。映画は永遠に不滅である、と思う。
カラックスを批判しているのではありません。現代においてまさに映画そのものを描こうとする映画作家がまだいることに喜びを感じます。難解な描き方でないことに好感を持ちます。まあ、カラックスお得意のペシミズムだと思っちゃいましょう。
突然、予想外の大雪などで 何となくこころがざわついておりました。お元気でしょうか?
久々のカラックスという事でとても楽しみにしてました。
冒頭、何が何やら・・という感じで 少々焦りましたが(笑)すぐに 人生についてではなく 映画についての物語だと感じ 楽しめました。おっと、楽しめたというのは適切ではないかもしれません。
どの道を行っても 閉塞感がまとわりついて息苦しい感じもありました。
おそらく この十三年・・彼は映画のはじまりから 現在まで何度もずっと あらゆる事を繰り返し考えていたのでしょうね。
想像するだけでも苦しい・・(笑)
映画自体への愛情は強いのに苦しい・・
真面目だなあ・・カラックス。と思ってしまいました。
ラストがおそろしく ポップなのでほっとしましたけど(笑)
終わってしまうと 途中の苦しみから放たれ なかなかの秀作だったと思い知りました。
自分が歳をとったように監督も歳をとっているんですよね。当たり前ですが・・(笑)好きな監督の作品は出来るだけ多く観たいものです。
寒暖の差が続くそうです。お体気をつけて下さいね。
雪の影響で仕事に影響が入り、実はてんてこ舞いでした。この年でまだ仕事というのも、今は若い人が失業している時代なのに、嘆くことは許されませんが。
最近の私の映画評は書いていても思うのですが、作品に対する愛情がなさすぎますね。映画を見過ぎているのかもしれませんが、「あ、この映画はこのパターン」「何かここで受けを狙ってる」とか下種な気持がちらほら出て来るのです。
昔みたいにごくごく自然に、どんな映画でも見てやろう、どんな映画でもいいところはある、といった謙虚な気持ちが薄れてきましたネ。
重ねて来た年齢のせいもあろうとは思いますが、多少精神的な余裕がなくなって来ているのかもしれません。
その点、森おばさんさまは映画に対する気持ちがフラットでうらやましいです。
福島では私は昔1年だけ住んだことがありますが、フォーラム福島はまだ健在ですか?一日5回映画にチャレンジしたのも福島でした。私にとっては心のふるさとでもあります。
それでは、また。