出演者がレッドフォード一人だけという異質な作品であるが、だからこそ一個の人間と大自然との対峙という、人間が生きてゆく上での本質的な真理が明かされてゆく、、。
時間は2時間弱で通常の時間帯なんだが、長くは感じない。一人で海を回遊してしまう羽目になり、乗っていた船も沈んでしまい、救命ボートで広い海洋をただただ救いを待つ。
水、食料、何より一人きりという孤独感。文明から離れてしまった人間はどうやって自然と向き合うのか、、。
ロバート・レッドフォードは年を重ねてもう昔の華やかなりし面影は皆無だ。しかしまさに朴訥な普通の老人がそこにいる。演技といっても動作までそれほど演出できないだろうし、なかなか難しい演出を迫られる映画である。
ほとんどがレッドフォードのアドリブ的な演技に頼ることになったのであろう、そんな海洋に一人ぼっちの、男の挑戦、孤独、いわゆる人生そのものが観客の目の前に展開される。
もう僕だったらどうしよう、、とか考えられないほど過酷な展開です。ヤワな僕ではこの映画から知恵と勇気をもらったなんて、とてもじゃないですが言えないですネ。レッドフォードの方がうーんと年上なんだけど、体力がそもそも違うよ。
ラストは映画的でもありなかなか印象的なエンドでした。
恐らく観客数も少ないだろうと、早く身に行かねばと思いながらなかなか達成できませんでした。
やはり館内は空いていましたけど、それ以上に緊密した時間が続くいい空間でした。
ラストは思いがけないいい終わり方で、見てよかったと思わせます。
またご意見下さい。
それでは、また。