この人の作品は「告白」に続いて2作目。印象はほとんど同じ。作風、一人称の告白ものの連作という意味でも同一線上。そして何よりこの作品に表出する悪意、毒。もうやたらぷんぷん臭う。
途中で何度投げ出したいか思ったかわからない。それほど厭な内容なのである。けれどやめられないもどかしさ。これは現代のミステリー文学の盲点なのかもしれない。こういうものが売れるということは現代人に何か欠けているものがあるのだろうか、、。
その毒が女性特有といったら怒られるでしょうか、もうわけのわからないキモサなのである。
でも、ミステリーとしては作品的には秀逸だから手をつけられない。こういう倒叙ものがミステリーの本線になって行くというのも、本格好みの僕は少々恐れる気持ちもあるが、まあ仕方がないのかな。
でも、冒頭のあの幼女凌辱はラストまで読んでみるとやはり解せない。あの動機であれば絞殺程度でよかったのではないか。こういうところがやはり単刀直入に言えばやり過ぎなのであろうと思う。
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