劇場に入る。両サイドに客席が分かれる。それぞれ30人程度の小さな劇場。というか、普段は練習場にもなっていそうな平面の場だ。中央にテーブル2つと椅子が何脚も乱雑に積んである。客席は熟年者が多い。この出し物からはそれは容易に想像できる。何といっても秀作中の秀作の呼び声高い本作品。期待は尽きない。
映画化されたアメリカ映画が超有名だ。ヘンリー・フォンダの代表作だろう。アメリカ映画史でも10傑には入るという秀作だ。
舞台が始まるとぞろぞろと12人の陪審員が入ってくる。テーブルと椅子を並べそこは会議室に早変わり。そしてかの有名な12人中1人だけだった無罪判断が一人一人増え続け最後には全員一致でこの長い陪審員会議室の長い夜は始まって行く。
この小さな、練習場のような舞台がいい。この狭さがこの緊迫したディスカッションを迫力のある空間にしている。12人すべて役割が明瞭で、俳優たちもしっかりとそれを意識し全員がやり遂げている。自然と湧き起こるものすごい感動に自分ながら驚く。
ストーリーはもう完全に知っているはずなのに新鮮な舞台。すごいです。いつもは東京に来ると下北の演劇を見ることにしているのだが、「12人」を見たことに納得。これだけはとても期待していました。実際もそれ以上の出来。全員に拍手。
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