この古ぼけた貸ビルの舞台装置を見て、もうだいたい話は分かりかけている。一つのフロアに4つの店。その共有スペースに人が集まってくる。面白い設定。魅力的である。
劇団員ではないのにもう立派に劇団員を主張している牛丸裕司の変な日本語の中華コック。岩本は今回はなんとインド人コックに扮している。顔に黒いドーランを塗り多少インド人風ではある。そしてうどん屋を開店する若い青年にこんどうけいいち、4軒目の売れてないしがないスナックママをいつもドほがらか橋本千枝子が扮している。
そこにこの古ビルオーナー水野いくよが話の漕ぎ手となり、進めていく。
まあ、いろいろあって最後はなんとドありえないような平和な解決策がこの人情喜劇を待っているのだが、いくら何でもと思う気持ちもあれば、別にいいんじゃあない?という気持ちもある。徳田の脳裏には人類みんな一緒に仲良くという頭があるはず。
観客はほっこりして帰路に着く仕掛け。いつもこの繰り返しだが、それがまたいいんだよなあ。
若手も育って来ているのでのびやかだ。みんな演技に勢いがある。今回いつも主役の岩本が少々受けに回っているので少し変わった印象を受けた。でも逆にそれが新鮮でいい。ますますこのままいい舞台を作って行ってほしい劇団である。
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