劇場に入り、すぐにカウンターでコーヒーをいただける。席に着き、ほっとする。この劇場はそれ自体が一つの美術館を呈する素晴らしい空間である。
シナトラの「フライミーツーザムーン」が流れる。直訳すると「月に私を飛ばせ」。から始まるこの劇は、3人の登場人物による全編まさにポエム。
Contondoの劇はあの不条理作家の別役実さえポエムにしてしまうほど僕のお気に入り劇団であります。彼らの劇は日常と非日常との間隔が緊密で、糸が常につながっている。ゆるんだり、緊張したりすることはあっても、それが切れることはない。空と海と宇宙につながっているような感覚でもある。
僕らも席でコーヒーを飲んでいるが、彼らもよく煎れ、よく飲んでいる。そんな観客との一体感、空気感を彼らは大事にしている。
途中ふいに出て来るチェホフの「プロポーズ」。やはりチェホフは喜劇作家なんだと再認識する。あの「かもめ」でさえ、表題通り喜劇なのである。面白い。
実にいい時間。空間。空気。この時間がいつまでも続きますように、、。
とはいえ、非日常から現実に戻る時間は必ず来る。次の公演はいつなんだろうか、、。もう待ち遠しいデス。
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