セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 93本、 演劇 71本

黒電話プロデュース『みそ味の夜空と』(作・南出謙吾 演出・芦川諒)(於・カフェスローOsaka) 75点

2018-03-25 17:48:44 | 演劇遍歴

ほぼ10年ほど前に初演された劇の再演である。たった10年だが、こういう空気感が主体の劇では、時間が経過すると共に失っていくものもあるんだなあと思ってしまう。

劇はこれと言ってストーリーは存在せず、どこにでもいるような、あるような市井の人々の姿である。男女の別れといっても、理由があるでもなく、うだうだしている男女の姿がそこにある。

一方、札幌ラーメンがうまいからというって、札幌の旅立っていく男の姿もある。英語以外はとりえのない女性も描かれる。何やら考えたら不思議である。すっきりはしない現実がそこにある。

前に進むでもなく、後戻りもしない彼ら若者たち。それはすなわちその時代そのものを描いているのだろう。たった10年ほど前の時間軸なのだが、随分異形の世界のように思うのである。少なくとも現代ではない。妙に余裕があり、けれど切実な空気感が漂う。

それらは感じるのだが、僕自身にぐっとくるものはあまりない。彼らを見ていて笑いもないのである。

これを時代の変化ととらえるには無理があるのかもしれないが、、。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« まだ、と、もう(HAYASHI(林)... | トップ | 時雨みち (1984 新潮社)(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

演劇遍歴」カテゴリの最新記事