ほぼ10年ほど前に初演された劇の再演である。たった10年だが、こういう空気感が主体の劇では、時間が経過すると共に失っていくものもあるんだなあと思ってしまう。
劇はこれと言ってストーリーは存在せず、どこにでもいるような、あるような市井の人々の姿である。男女の別れといっても、理由があるでもなく、うだうだしている男女の姿がそこにある。
一方、札幌ラーメンがうまいからというって、札幌の旅立っていく男の姿もある。英語以外はとりえのない女性も描かれる。何やら考えたら不思議である。すっきりはしない現実がそこにある。
前に進むでもなく、後戻りもしない彼ら若者たち。それはすなわちその時代そのものを描いているのだろう。たった10年ほど前の時間軸なのだが、随分異形の世界のように思うのである。少なくとも現代ではない。妙に余裕があり、けれど切実な空気感が漂う。
それらは感じるのだが、僕自身にぐっとくるものはあまりない。彼らを見ていて笑いもないのである。
これを時代の変化ととらえるには無理があるのかもしれないが、、。
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