20年ぶりの再演らしいが、時代性を感じない実にみずみずしい作品である。寓話の体裁をしているが、ポエム劇である。終夜営業しているビヤホールで語られる人生の真実、、。
遠く離れたふたつの町。旅人と人形。遠くにある星と我らが住む地球。これらが象徴しているのは、対角線上にある国と考えてもいいし、もっと狭く人間同士と考えてもいい。もっと卑近に、男と女でもいいし、自分の中に潜むAとA’の人間であってもいい。
哲学的であり、形而上学的でもある。でもそんな難しいことを考えないで、世の中の普遍的な思考をポエムにしたらこういう劇が出来てしまうのではないかなあと思った。
素晴らしい抒情性もある。秀作。
七井悠氏の声量たっぷりの発声に目を見張る。役者に生まれるべき役者さんである。他の俳優陣も実に見事。この作品の神髄を理解せずしてこの役柄は演じられない。稽古十分なのが分かります。
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