セミドキュメンタリー風の演出タッチは中国の大自然とすこぶる合致し、ダイナミックな映像を提供してくれる。しかも、父親と息子の絆の話なのだ。人間の永遠のテーマでもある。
演出的にはそれほど脚本もないような展開が少したどたどしさを感じ、逆にそれが魅力となっている。素人の俳優たちを起用したことの効果がはっきり浮き出ている。素晴らしい感動作となっている要因だろう。
しかし、この映画、欠点も多くある。
まず、中国という外国への閉鎖的なお国柄で、あんなに簡単にビデオ一つで心情をいくら刺激したとはいえ刑務所への陳情を許すわけがあるまいと思われること。また、刑務所でも受刑者がいくら仮面劇とはいえ、一民間人に撮影を許すだろうか、というところ。
それと、村の人たちがあまりに好意的過ぎるというところ。
現代の話なのである。寓話という体裁も取っていなく少し興ざめでもある。
しかし、それらを無視してしまえるぐらいいい話なのだが、父親があまりに強引なので、冷静に考えるとやはり作り話的な感じもするのは事実である。(役者のまだ見ぬ息子を急に父親に会わせようと連れに行く話はちとくさい。また息子が死んでしまっても親と連絡をつけずに嫁が勝手に葬式をしてしまうというのは変。対面はさせるはずだ。)
とはいっても、じんわり熱い涙を流したのは偽りのない事実。映像そのものは本当に簡素で人間の営みをま裸に見続けていたものであった。チャン・イーモウの秀作であることは間違いない。
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演出的にはそれほど脚本もないような展開が少したどたどしさを感じ、逆にそれが魅力となっている。素人の俳優たちを起用したことの効果がはっきり浮き出ている。素晴らしい感動作となっている要因だろう。
しかし、この映画、欠点も多くある。
まず、中国という外国への閉鎖的なお国柄で、あんなに簡単にビデオ一つで心情をいくら刺激したとはいえ刑務所への陳情を許すわけがあるまいと思われること。また、刑務所でも受刑者がいくら仮面劇とはいえ、一民間人に撮影を許すだろうか、というところ。
それと、村の人たちがあまりに好意的過ぎるというところ。
現代の話なのである。寓話という体裁も取っていなく少し興ざめでもある。
しかし、それらを無視してしまえるぐらいいい話なのだが、父親があまりに強引なので、冷静に考えるとやはり作り話的な感じもするのは事実である。(役者のまだ見ぬ息子を急に父親に会わせようと連れに行く話はちとくさい。また息子が死んでしまっても親と連絡をつけずに嫁が勝手に葬式をしてしまうというのは変。対面はさせるはずだ。)
とはいっても、じんわり熱い涙を流したのは偽りのない事実。映像そのものは本当に簡素で人間の営みをま裸に見続けていたものであった。チャン・イーモウの秀作であることは間違いない。
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