観客の年齢層がいつもよりかなり高いかなあと思っていた。こういう場合、劇団員の家族が見に来ているっていうこと多いんだけれど、劇が開いてから何故だかすぐ分かった。
出演者の平均年齢、恐らく60代後半。これは僕の劇鑑賞歴でもかなり異例の体験。ちょっとびっくりする。セリフも少々慣れていない人も居り、初めて演劇を始めた人もいる模様。
話は日本の、そして日本人の、昭和を生きた人たちに突き付けられた迷路ゲームだ。一心不乱に後戻りせず走り続けた戦後の日本人。今は走ることもままならず息継ぎを考えながらの年齢になっている。そんな彼らの終括とは、、。
ちょっとお遊び気分で始まった迷路選択もそのうちだんだん考えさせるものになって行く。それぞれ7人の旅人は自分の人生を厳しく見つめ直していく、、。
ラスト近く、急にトーンが変調し男と女の劇団員の話になる。この辺りがこの芝居の花となるところなのだが、しかし唐突感は否めない。盛り上がらない。二人はいい芝居をしているのだけれど観客に何か伝わらないもどかしさ。
いかに死ぬかということはいかに生きるかということなんだと思う。それは年齢に関係なく常に考えるべき命題だと思う。
この演劇、「平成版」を見逃している。見たかったなあ、、。
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