シュワちゃん10年ぶりの復帰作という企画そのものがもはや地味なのか、題名が意味不明で損しているのか分からんが、この映画こそ大西部劇の原点に戻った秀作エンタメであります。いやあ、面白かったです。
冒頭の300キロを超える新幹線並みのスポーツカーというのはちょっとと思ったけれど、設定があの懐かしい「真昼の決闘」であり、まさに孤立無援のしょぼい田舎町にマフィアの大軍団来たるなんて、現代では考えられない夢想話を西部劇に仕立ててくれたその発想に溜飲を下げる思いがした。
俳優陣が豪華だね。これがなかなかみんな個性的でいい。得点の重要な要素であります。
シュワちゃんの空白の思いを具現化したロートル保安官。まだまだいい顔つきしてるじゃないか。自然と彼から何かこちらに伝わって来るものがある。
途中で急死する副保安官もいい味わいだが、迎え撃つ4人の個性派、にわか保安官たちもユニークだ。
紅一点の美人保安官の新鮮さ、彼女の元カレの酔っ払い野郎(これが超カッコイイ奴で小憎たらしいぐらい)、ちょっと頼りなげのメキシコ系保安官(可愛くお茶目だね)、そして武器オタクの若者を引き連れ、マフィア軍団にたった5人で立ち向かう。
対する相手は顔つきからいかにも肉食系のマフィアの若ボス(かなり強烈)。そして何か憎めない手下の中ボス(でもホント憎たらしい)。実にうまい配役であります。
そして銃撃戦、気まぐれバス戦闘戦、とうもろこし畑の映像のうまさ・迫力、そして橋上での決戦、もうホントいたれりつくせり。画面に食いついておりました。
これを面白いと言わないで何を面白いと言えるか。
そう、これは西部劇の基本中の基本が骨格にあるんだよね。やはり映画の面白さをとことん考えると基本に戻るわけよ。それはある意味古き大西部劇へのオマージュとも取れる。でもそんなことどうでもいい。
あの残虐ボスも定石通りシュワちゃんに負けて、おんぼろ車に引きづられみっともない負け犬風情。コミカルでいい終わりです。
やはりエンタメ作品も映画はすべて基本が大切ですなあ、、。
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