初めての劇団。舞台は高く設定したある田舎の古びた家の一部屋。敢えてわざと高く設定したその理由は分からない。一つ言えるのは俳優たちがその部屋に入るとき、また後にするときピタッと厳かに静かに階段を上り、下がるする。これは印象的だった。
四九日法要の後の話である。田舎に取り残された次男は兄、姉に対して少なからず胸に一物を持っている。田舎を出て行った兄姉たちは弟に家のことを任せっ切りにしている。そのくせ帰ってくれば兄貴面をする。
まあ、それが血肉を分けた兄弟とのつながりであろう。仕方ないのである。そんな彼らにふいに夫婦のお遍路さんが紛れ込む、、。
急に暴力を振るいかけるお遍路の妻とか、声高に奇声を上げる義姉の行動が何か唐突で、少々違和感を感じる。セリフで説明してもよかったのではないか、なんてこの劇団を初めてみる僕からすれば思ってしまうのであるが、この劇団の個性なのかもしれない。
故郷を持たない僕は実際のところは分からないんだろうが、親の世話を次男に任せきりの兄姉に対する次男の気持ちはよく分かる。でもそういう人生も仕方ないのではと思ってしまう。親としては、一緒に住まなくてもどこかで元気にいてくれるだけでいいと思う気持ちがあるのではないのだろうか。
今どき、人生に対して直球の照射を試みる楽しみな劇団である。次作も期待できる。
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