映画館で演じられ、そして見る演劇。これは僕にとって初めての経験だ。まさに映画館での話なんだ。久野さんは前作も思ったが、詩人である。この演劇はまさにポエムなんだ。
7人によるそれぞれのつぶやき。かれらはたまたま映画館にいる者たちだが、1人の人間の分身にも思えてくる。
映画から主人公が映画館にやって来て、観客たちと共にし、そしてスクリーンに戻ってゆくというウディ・アレンの映画もあったが、この劇は主人公はスクリンには戻って行かない。観客とともにある。何回もスクリーンから抜け出すとその回数だけ何人にもなる。
という不可解な話が映画館を占領する。
不条理劇ともいえるが、根はポエムである。だから美しい。人の営みが美しい。完成度の高い役者さんたちが演じることによる充実感と緊密感がある。不思議な空間である。映画館なんだが、異質な空間でもある。
80分はアッという間に駆け巡る。心地よい時間にも終わりが来る。ふと気づくとそこにはいつもの日常が待っていた、、。
実に秀作。2時間かけて神戸に来た甲斐があるというものだ。
長らく立っていなかったので、久しぶりにご覧いただけて、来ていただけて嬉しかったです。
いい役柄でしたね。ヘアースタイルも随分と若く、カッコよかったですよ。
こういうポエムが感じられる演劇は最高です。
PAMの演劇も控えていますが、次回は残念ながら行けません。
PAMといえば、3時間半ぐらい劇をしっぱなしのあのものすごい演劇が今でも忘れられません。
また機会があれば、、。
では。