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二人日和 (2004/日)(野村惠一)

2006-02-26 21:19:45 | 映画遍歴
京都という古都に生きる老夫婦。夫は神祇装束司という京都ならではの芸術性を感じる職業。コーヒーを飲むための水を毎日近くの神社に汲みに行くのを日常にしている。
ふたりとも京都弁が見事。現代に生きている人と思えないぐらい美しい言葉を使う。言葉と同じように二人の愛も強い。信じられないぐらいの絆である。
こういう愛し合っていてどちらかが欠けると生きていけそうもないと感じている夫婦も実際多いと聞く。うらやましい限りであるが、二人の愛の強さに感動はしたものの、何か当てられている感がし、素直に喜べない何かが自分にあるのを感じたままドラマは終わる。
この自分に生じた何かは何だろうと今考えているのだが、45年間結婚生活をして妻はもう夫の一部となっているのだろう。そんな強い愛というか、相手を思いやる愛というものを忘れている夫婦も多い中、映像で模範的な良き夫婦を見てしまうと「そうなんですか、、」と言う感想しか出てこないのではないか。
夫婦ってもっと負の部分もあるはず。この夫婦には結婚前に心中未遂と言うのもあったらしいが、姪の話でふと聞かされるだけなのでそれだけでは僕には不十分であった。
まあ、いいハナシなんだが、人間ドラマとしてはちと弱いかな。
若い学生カップルの愛も対照させてはいるが、如何せん普通過ぎて刺身のツマになってない。
全体に演出も京都という素材とはいえ、まったり気味。映画的高揚感は少ない。
でも繰り返すが、特に僕にとってはうらやましいハナシではある。
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