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KAMATAKI -窯焚- (2005/カナダ=日)(クロード・ガニオン) 70点

2008-05-08 14:30:41 | 映画遍歴
日本の伝統芸術、信楽焼の窯焚を通して、日本の自然、人間の営みとの一体感を美しい映像で描き出す、というテーマです。

少々強引で図式的な構図の映画です。最初の設定である父親が亡くなったから自殺未遂をした青年を遠く離れた日本で再生を期す、といういかにも頭で練り固めた出だしが気になりましたが、、。

外国人から見た日本の文化の違和感というものはさすがクロード・ガニオンからは感じられないが、自然との融合から生まれる青年の再生に行き着くまでのプロセスは、やはり西洋人特有の超合理的思想が垣間見えます。

特に、セックスが主人公を再生させる重要なキーだという図式は少々古いのでは、と思ってしまいます。自殺未遂の原因が詳しく語られないので何ともいえませんが、現代人においてセックスが自分を取り戻すきっかけになるなんていうことがあるのでしょうか、、。それも、人間と自然とは一体的なものである、という西洋合理性の元で、であります。

テーマは何となく分かりますが、やはり現象だけを並べられても我々日本人には一個の若者が東洋の僻地に来て、一月という短期間で自分を取り戻すことが出来るなんて、嘘っぽいと思う。それほどセックスが人を目覚めさせる妙薬になるなら(自然との融合観)現代人のセックスレス化を説明出来ないと思います。(あくまで私見ですが、、)

でも、まあ、みんなおおらかで自然に溶け込めば人生、悩むことなんてないよ、というほどお気楽だとも思いませんが、意地悪な言い方をすれば、日本の自然と芸術を肴にした少々西洋人の目が気になる映画でした。

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