5人の子供たち。小六。男の子4人、女の子1人。廃ホテルで基地を作り「~ごっこ」。ふざけ、遊び、自分を解放している。
ところが目に見える5人は立派なおとな。20年は経っているはず。服装も今の状況を物語る。ところが話す内容は子供の言葉。まさに子供の、残酷な世界を綴っている。
現代からそのまま20年前にタイムスリップした大人たちがランドセルを担いだり、アイスを賭けたり子供の生態に戻っている。何の説明もないまま目の前に繰り広げられる子供の世界に、懐かしさもあり、圧倒される。
ところがふとしたことで忌まわしい事故が起きてしまう、、。
90分、あっという間の疾走タイプ演劇だが、言いたいことは分かるが、でもだからって何なのよ、という気持ちもどこかにある。子供ってそんなものだろう。だからふとしたことからいじめも生まれるのだろう。分かってはいるが、、。
女の子を男性がやっていた。体も太目で、最初は男だなあと思っていたが、声の響きは女なのだ。さらに足を引きずっている。この俳優が、体が悪く脚に後遺症があるのだろうか、とさえ思っていた。
ところがこんな疑問もラストですべて説明される。若い女性がこの役を演じていたらかなり違ったものになっただろう。でも、この怪演はこの演劇を見事高みに導いた。
教育とは、といった方向には決して行かない演劇だが、こんなマイナーなテーマを取り上げる劇団に拍手をしたい。なかなかの集中力であった。
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