何か昔テレビドラマでこういう猟奇連続殺人事件を見た覚えがあります。殺人が継続して第三者につながってゆくという不思議で奇妙な、しかし興味あるミステリーです。
このミステリーの褒められるべきところは最近の江戸川乱歩賞の停滞をしのぐべく本格ものであるということです。何よりこれがいい。
また、原初の犯人の手記もなかなか厭味なくきれいに連続殺人事件を書いている。それは殺人の行程を描いているのではなく、犯人の脳裏を詳細に書いていることが秀逸なのであります。読ませます。
まあ、一応アッと驚く犯人であり、最後の最後までどうなるか分からない展開も面白かった。初夏の夜長には最高のミステリーでありました。この作者は才能があると思います。他の作品読んでみようと思っています。
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