評判高いミステリー小説だ。だいたい外国で発生する物語はカタカナの人名に弱くパスしていたのだが、今回は米澤穂信の力作との定評があり読破する。
400ページで少し長い。けれども「読ませるなあ」というのがまずの感想。ジャーナリズムの本質をテーマにしてはいるが、仏僧も絡ませて世界の世の中のことについての人生論のようにも思えてくる。
わたしたちが本を何故読んでいるのか、映画を何故見ているのか、なぜ星のことを考えているのか、それは自分の中に自分の世界を確立させ、それを完成させる何かがあるからではないのか、と考えさせられる。
ミステリーなのに中身の濃い、充実した本でした。素晴らしいと思う。ミステリーをただ娯楽として捉える人にはひょっとしたら合わないかもしれない。
秀作です。
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