二人芝居、2本組。
目の前に竹内銃一郎氏と松本修氏がいるのに驚き。このお二人、演劇界で通の人なら知らぬ人はいないほど、御大家である。まさか見ることができるとは、ましてやこのお二人が演じる演劇を見ることができるとは、、。驚いた。
映画監督と助監督のシリアスでしかしコメディタッチの、少々不条理劇をも感じさせる秀逸な劇である。なにせ、当時の文化状況がポンポンとセリフで出てくるので、懐かしさもにじみ、とてつもなく面白い、
後半劇は、パリにあこがれる女性二人の他愛ない夢のような描写が一転して、餓死を思わせる地獄図に反転するシリアス劇だ。竹内氏も述べているが、この二人劇、男・女の相違はあれど、表裏一体、テーマは一緒である。限りない人間の切ない思いが夢を通り越し、幻想へと変質する。そして、最後に現実と悲哀を持ってくる。
余韻のあるラストで、しっかり竹内の演劇の世界にどっぷりとつかることができた。至福の時間であった。
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