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脳内ニューヨーク (2008/米)(チャーリー・カウフマン) 90点

2009-12-13 13:51:31 | 映画遍歴
面白い。本当に面白い。くすくす笑えるシーンのオンパレード。でも場内はシーンとしたまま。女性客が多いせいだろうか。分かるよ、ケイデンさん、本当にあなたの脳内と僕のそれは通じ合うものがある。素晴らしい。ホント最高。

でも、この全編漂う死臭は何だ。終わっても終わっても執拗に映像に覆い被さる。

【カウフマン】一流の8 1/2なんだよね。映画作家は映画を何本か撮るとみんな作りたがるその最たるものであるのだ。

でも、【カウフマン】はこの作品が処女作じゃなかったっけ?うーん、最初からイイカッコシーじゃあのう、、。

でも本当にこの作品は面白い。人間が死ぬ瞬間に見るであろう走馬灯で辿る絵空事を2時間のドラマに見立てる。うーん、いい。自虐的なところも気に入った。所詮は人と人とのつながりも、家族も、女も、友人も、ずっと秘密に貯蔵してあるゲームソフトも、この映画のように何の関係性もなく死とともに立ち消えてしまうのだ。

それでも人類は逞しく生きていくというところに不条理感は残滓するが、人生なんてそんなもんよ、と捨て鉢に明るく言えるほど、この映画が気に入りました。(全然批評になってないですね。でもこの映画、とんでもない秀作だと思います。)

こういう8 1/2映画を撮ったら作家は今までにも増して元気になれるんですよ。対する観客は逆に、作家からエネルギーをもらうこともなく、ほとんどが異物を取り除こうとする人も出てくるはず。これは仕方のないことなのかな、、。だって8 1/2って、作家の嘔吐物みたいなものですよね、、。

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