この作品は結構全国どこかでやってます。映画にもなってるし、題材からかヤングにも人気で、学校などの演劇祭でも取り上げられることの多い劇ですね。
と言いながら、僕は見るのは初めて。まず劇場に入ると、豪華絢爛な舞台美術に目が行く。もうこれを見て、来てよかったなんて単純に思っちゃいました。
妖精たちがふんだんに出てくるので、登場人物も多い。この劇でも総勢30名ばかり出演されているかなあ。そりゃあスケールが大きく、めちゃ楽しい。彼ら妖精たちのそれぞれの表情・振る舞いを見てるだけでも楽しめる。
音楽はかのメンデルスゾーンなんですかね。劇としてはシェイクスピアものなんだけど全く難しくない。深く考えることがない作品で、スーっとどの角度からでも身近に楽しめる作品である。
とはいえ、シェイクスピアのことだから、各主要俳優には長セリフが付きまとう。さすが格調があり、心地よい。タイテーニアの林ひとみ、ハーミアの水野桜花、ヘレナの大林みづき、みんな練習十分で完全無欠のシャイクスピアの世界である。
オーベロンの川田恵三のセリフは今回それほど長いセリフはないが、闇の世界ドンのうごめく暗さと大きさをよく表現していた。今回の劇では年長の方なのだろうが、まだまだ見た目は少年ぽさが残る川田なので、今回はかなり苦労して作り込んだことが見て取れた。頑張った甲斐がありました。
この劇の良さはやはり劇中劇のおかしさであろう。下手に演技することって結構ムズイはず。単なるファンタジー妖精劇から、演劇の持つ大衆性への基軸をしっかりと示しており、やはりシャイクスピアは素晴らしいと思う。
どこから見ても楽しい演劇であります。演劇の基本を見たような気がするなあ。充実した2時間15分でした。
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