戦争から帰ってきたら妻は夫が戦死と思い弟と愛し始めていた、という日本でも戦争の悲劇としてゴマンと作られた話だと思い見ていたらまったく違っていることに気づく。
捕虜で投獄中に辛苦を舐めた捕虜同士をなぶるアルカイダの非人間的な行為の前に、あっさり自分が生き残るために自分の人生哲学とはまったく逆の行為をしてしまった軍人の主人公。
この行為が今回のテーマなんですね。しかも、通常の戦争映画ではないところから、家族の一定した愛のために同僚の捕虜を殺戮させられる羽目になるわけである。
今までの映画であれば人間の本能的な存在理由から同僚でさえ殺さざるを得ない不条理をテーマにしただろう。しかしこの監督は、主人公が殺さなければ自分が殺される環境下に置かれていたとはいえ、職業軍人である主人公に同僚捕虜を「家族の愛のために」という現代的な解釈で、残酷な殺戮をさせてしまうのである。
そこまでして愛の家族を守った主人公が帰還の家庭で見たものはほとんど自分のせいとは言え、弟と妻との疑惑、子供たちの自分からの急速な遠のきであった。
もちろん、本当のことは妻にも上司にも言えないまま沸々と主人公はがんじがらめになって暴力化していき、刑務所に入れられることになるのだが、、。
衝撃的な映画である。まだドグマ的な手法を取り入れているが、音楽は人間の存在の哀しみを痛切に訴えるかのような竹笛のような楽器を用い素晴らしい。
カメラも俳優の表情を焦点に素晴らしい映像を作り得ている。なにより台詞が少なく、映画の基本である表情すなわち映像で物語っているのがいい。
スェーデンの旧作に同じような題名の映画があったが、やはり北欧の映画は同質で人間への洞察が深い。ラストシーンのあとエンドクレジットが出ている間初めて暖かい涙が湧き出るのをこらえることが出来なかったほど感動した。秀作である。
捕虜で投獄中に辛苦を舐めた捕虜同士をなぶるアルカイダの非人間的な行為の前に、あっさり自分が生き残るために自分の人生哲学とはまったく逆の行為をしてしまった軍人の主人公。
この行為が今回のテーマなんですね。しかも、通常の戦争映画ではないところから、家族の一定した愛のために同僚の捕虜を殺戮させられる羽目になるわけである。
今までの映画であれば人間の本能的な存在理由から同僚でさえ殺さざるを得ない不条理をテーマにしただろう。しかしこの監督は、主人公が殺さなければ自分が殺される環境下に置かれていたとはいえ、職業軍人である主人公に同僚捕虜を「家族の愛のために」という現代的な解釈で、残酷な殺戮をさせてしまうのである。
そこまでして愛の家族を守った主人公が帰還の家庭で見たものはほとんど自分のせいとは言え、弟と妻との疑惑、子供たちの自分からの急速な遠のきであった。
もちろん、本当のことは妻にも上司にも言えないまま沸々と主人公はがんじがらめになって暴力化していき、刑務所に入れられることになるのだが、、。
衝撃的な映画である。まだドグマ的な手法を取り入れているが、音楽は人間の存在の哀しみを痛切に訴えるかのような竹笛のような楽器を用い素晴らしい。
カメラも俳優の表情を焦点に素晴らしい映像を作り得ている。なにより台詞が少なく、映画の基本である表情すなわち映像で物語っているのがいい。
スェーデンの旧作に同じような題名の映画があったが、やはり北欧の映画は同質で人間への洞察が深い。ラストシーンのあとエンドクレジットが出ている間初めて暖かい涙が湧き出るのをこらえることが出来なかったほど感動した。秀作である。
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