今話題の演劇作家ピンク地底人3号を初体験。実は、彼の作品を朗読劇で拝見してからいたく気になり、やっと本日見ることができたのだ。平日の午後なのに満席状態。皆さんよく分かっている。
で、劇の方は、これがまた、舞台は家電の運送会社ではあるが、中身はブラックなところもあり、社員が続かない、いかにも現代そのものの闇を厭というほど匂わせている。
そこに就職した一人の男性。だが彼は実は女性であったのだ、というテーマ自体が演劇の方から観客に真っ向に問いかけているような展開でもある。まあ、こういう設定だったら、男性より女性のほうが痛みがわかり、理解しやすいのだなあとは思う。
案の定、僕はこの女性がなぜ男性として仕事を得たかったのか、わからないままでいる。体も男性になろうとしたのだろうが、、。また、この副社長のカンザキという男。彼も複雑な人間で、男性とも女性とも性的に問題なしであるかのような人で、題名にあるがごとく、彼の世界が実は闇である。まるでカンザキそのものが現代社会であるかのように。
人生に絶望していた女性が、実はこの副社長の真摯な愛により、生きる活力を取り戻してゆくのだが、その時にはこの劇は彼女に死をもたらす残酷さを用意する。
娘の死に疑問を持つ母親が会社に就職する展開は、少々人工的だとも思ったが、僕がわからなかったのはラストシーンだ。唐突で、あのシーンだけが完全にステップアウトしてます。
いつもこんな感じなのかなあ、、。
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