センセーショナルな題名でいつ目を手で覆おうかと覚悟していたが、最後までその機会はありませんでした。観客の意識を反転させるかのような静かな芸術映像の連続で、自然、狩猟家である男の意識も意図的に美化されている。
欲しいと思った女を殺しその都度カニバルするという行為の描写はほとんどないため、何か腑抜けになった殺人者の心象風景を見ているようで、あまり観客に映画的高揚感は湧き出ぬままラストにつながってゆく。
この手の映画で多いスリリングなシーンも少なく(冷蔵庫なんてうまく活用すればいいと思うが)盛り上がり不足は否めない。
妹を殺し姉の出現で何故今までの彼の人生をターニングさせてしまったのか、僕には分らない。今まで女を愛し、好きだから殺戮し、食していた男。姉を殺戮できなかったのはだから愛してしまったからではない。(解説には愛してしまったからなんてモチーフが書かれてはいるが、、)
そのあたりが不明確でしかも姉の方は男を愛してしまっているから予期せぬ行動を取ることになる。不思議なラストである。
一体全体男は何故姉を殺さなかったのだろうか。妹を殺してしまい血縁たる姉への贖罪の気持ちのためとも思えず、、、。もし、モチーフ通り女を愛してしまったからカニバルできなくなった男の話だったら、コメディになりますが)
だいたい僕には理解を超えている映画なのでどうでもいいような気もします。映像はたっぷりと美しく、見せてくれます。
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