それほど好みではないが、来るといつも見てしまうダルデンヌ作品。その素朴で、リアルな作風が画面を疾走する。
今回は、イスラム原理主義に感化された子供を追う。宗教だけは、何とも人類史上的にも難しい範疇に入る想念だろう。そこに踏み込み、論議することを許さない何かがあります。
ダルデンヌもそんなことは分かってはいるので、ある少年の意識を素直に正直に紡いでゆく、、。そんな時間の動きをじっくりみんなで見ましょうや、と言わんばかりに、ものの見事に映像は観客を吸い寄せてゆく。
少年の心の動きはしっかり見続けたつもりだが、ラストのあの一瞬の時間で、少年はあれほどかたくなだった心を融解させる。その反転へと動く瞬時にこの物語は止まる。
ある意味、観客へのアンフェアとも取れるが、それはこの監督の信念を通す潔さとしたい。やはり秀作。
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