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コドモのコドモ (2008/日)(萩生田宏治) 80点

2008-10-31 11:43:14 | 映画遍歴
題名の意味も考えず何となく見てしまった映画だった。そのうち題名どおりだったことに気づくと、これは大変な映画だわい、と画面に目を引き付けられる自分に気づく。

まあ、自分の家庭では絶対起こりえないという話でもないから、逆にそれだからこそ引き込まれたのですが、やはりクライマックスの、子供たちだけで出産をやってのけるという設定に無理があるので、その不自然さの残滓が後々続く。

また、全くおぼこい二人だとしても、一応セックスなるものをしてしまったからには、教育を受けてはいなくても幼児だから(こそかな?)その行為の意味は分かるはず。(例えば二人のどちらかが精薄児(差別用語なんでしょうか?)だったら結構こういうことはあるとは聞いています。)何か不思議でしたなあ。

まあ、突っ込みはそのぐらいにしておいて、この映画は子供が子供を生むという事件を通じてクラスの子供たちの間に生まれる連帯感の素晴らしさを感じさせるものでもあるのでしょう。頑張りすぎ教師(麻生久美子熱演)と生徒との距離感とか、リアルで、まさに現実のものとして捉えることができました。

まあ、この事件は架空とはいえ、もし現実にこのようなことがあったら、どうふるまうか、またはふるまえるか、その時になってみないと分からない代物だと思う。

ラストはうまくまとめた感じもしますが、問題は後送りしただけで全く解決されていないのは事実です。でも、衝撃的なテーマであることは確かです。原作本は知りませんが、問題を提起するだけでもこの映画の作品価値はあると思います。そう、この映画はこの映画を見た後からいろんなことを考えさせる映画だと思う。

それにしても、最初から最後まで画面に目を凝らして見てしまう映画ってそんなにありませんよ。それだけでも今年の収穫作でしょう。

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