いやあ、面白かった。迫力あった。全員投球の壮絶な野球を見た感が残っている。実に楽しかったあ~。本質的な演劇の醍醐味を味わう。
これだけのストーリーで、2時間弱の劇を持ち応えさせるのは本当は大変だと思う。でも全くだれるところがなく、ラストまで一気でした。そこが偉い!すごい。
だいたい川田恵三さんと練間沙さんを見るためにやってきた吾輩であるが、そのうち全員がちゃんと役をもらって、しかもそれぞれがちゃんとそれをこなしているのが分かってくると、俄然舞台に身をせり出すことになる。
主演のヒーロー、とはいっても、GOODMANは決して強い人間ではない。金もないのにピンキャバに行ってしまうその他大勢の市井の男である。ヒーローを業としているが金の入ったためしがない。しかし心には常にヒーローの熱き魂が宿っている。正真正銘のgoodmanである。
そんな不完全なヒーローを川田はあの天性の少年のような笑顔、つぶやきで演じ切る。でもほかの役者たちもそれぞれ100%の演技をしている。幕間の切れなどの立ち回りも颯爽としてとても気持ち良い。それだけ気持ちが全員に入っているということだ。
練間はさすが発声が力強い。宮本武蔵何がし役だったが、相変わらずカッコいい。客演だけどとても目立ちますね。実力を十分示している。
でも今回は主役だけでなく、何度も言うけど全員がとても結束している。この力強さは何だ。あの小さな舞台が大きく見えた。
脚本が出演者一人一人をきちんと描いていること。そしてその演出力。そして何より役者たちがそれぞれ個性を発揮し、なお且つその団結力のすごさだろう。いい舞台だった。今年の収穫作である。
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