いわゆる難病ものなんだけど、そこは現代版、明るいわ。限られた時間をどう生きるかなんて人生訓のようなものはなく、どういう状況でさえ、人間は恋もし、愛も知る。そしてそれが短い時間であれ、濃い密度で人生を知ることもあるのだ、と言う。
悲しい話なのに涙を出させようとする演出でないのがまずいいね。そこらの元気な高校生たちよりずっと彼らは青春してるよ。この脚本のいいところは、彼女の病態を観客はハラハラして見続けていたが、対象を思いきり逆転してうっちゃっているところが面白く、かなり新鮮であります。余韻が残ります。
その分、余計に二人の恋が真剣に燃え盛るのがわかる。でも、なんとまあ、こういう不幸が本当にあるのだろうか。やはり哀しいね。
全体に作り込みが徹底しており、2時間強の上映時間だが、全く退屈するところはなかった。スタッフの限りない新たな挑戦に賛辞を送りたい。
秀作です。
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