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パイレーツ・ロック (2009/英=独)(リチャード・カーティス) 75点

2009-11-20 15:43:23 | 映画遍歴
ドラマとしては意外やもたついた演出ぶりで、あまり練られてないなあとは思ったけれど、でもこの映画の心底からのテーマは自由であります。人間が人間を規制することの空しさと馬鹿馬鹿しさとそれからの解放をうたっています。

このずしんと強い一つのテーマがスタッフ・キャストの一人一人に通じたんでしょうか、映像はかなり余裕のあるテンポで進んでいく。でもその合間に流れる当時のポップス、ロック。これはその時の当事者にはたまらない魅力です。

曲が耳から僕の脳裏に沁み込んでくると、体が動くというよりジンワリとした涙が溢れてきます。この胸のときめきを/この世の果てまで/青い影。俺にだって10代はあったんだ。「青い影」は特に名曲で、バイトで付き合っていた女性は「私が死んだらこのレコードを添えてね。」と言ったっけ。

そんなことが走馬灯のように思い浮かべてくる。

あ、そんなこと、この映画の批評になっていないよ、と言われそうですね。でも、当時も僕の関心事は「解放」ということでした。その手段としては、ポップスが一番だったわけです。何しろ、レコードが高くて買えなくて「ソノシート」なるものでロックンロールしていたたあの頃、、。まさに青春前期。そんなひとときを一瞬に巡り合わせてくれた映画なのです。スタッフ・キャストも同じ気持ちだったのでは。

CDを買おうかな。

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