こまつ座の舞台「円生と志ん生」を観て来ました。
実在の落語家、五代目志ん生と六代目円生の話。この2人、戦争中に満州に行くんです。そして、満州で終戦。再び、日本に戻るまでの話です。
満州からの引き揚げに関しては、ドキュメンタリーやドラマだけしか知りません。想像できないほどの苦しみ、悲しみがあったのだろうと思います。
でも、この舞台は落語家の2人が主人公と言う事もあり、笑いを含めながら話が進みます。それでも、考えさせられる場面はいろいろありますね。
集団自決を避けて、子供と一緒に逃げたけれど、途中で撃たれてしまい、子供を中国人の養父にたくす母親・・・・どれだけ、無念だったか・・・命をたたれなくても、わが子を手放さなくてはならない人もいた、そんな時代・・・やはり想像できない。辛いなんて言葉では語れないよね。
舞台の中で、「言葉を自由に言える時代、素直に受け取れる時代」みたいなセリフがあるのだけれど、それが出来る今の時代だからこそ、言葉を大切にしなければ!と思ったりしたよ。
住む家もない、食べるものもない、ソ連軍の侵攻の恐怖・・・・・やはり想像できない。円生さんは生きていくために、満州で期間限定の所帯を持つ。2人が日本に戻るのに、結局2年弱かかるのね。志ん生さんは、ほとんどホームレスのような生活を続け、やっと引き揚げ船で戻ってくる。円生さんは、所帯を持った相手との話し合いのため、帰国が少し遅れるのです。
こうやって書くと、とっても暗い内容だけど、落語家だけあって、あちこちに笑いがあり楽しめるんですよ。
落語は今まで、2回しか聞いたことがないけれど、奥が深いのだろうなぁ~~なんて事も考えました。
円生役が辻萬長さん、志ん生役が角野卓造さん。女優人4名(ひらたよーこさん、池田有希子さん、森奈みはるさん、塩田朋子さん)が、一人五役演じます。円生と志ん生が満州で出会う女性達です。6人の舞台だったけど、内容に見ごたえあり、幅が厚いな~~と感じました。