こまつ座の『人間合格』を観て来ました。
太宰治の話。太宰の本は、「人間失格」しか読んだ事がない。それも、中学生だったかな~~。いわゆる、あの課題図書ってやつで、読んだのよね。もう内容も忘れているのだけど、妙に腹がたった事は覚えている。「この主人公、なんでこんなに悪い方に考えるの?」って・・・「悪くしているのは自分自身じゃない!!暗いな~~」って・・・だから、今日も暗い話なのかな?って、思って行ったのよ。
出演は太宰に岡本健一さん・他は山西惇(あつし)さん(ドラマ相棒に出ている方)・甲本雅裕さん・馬渕英俚可さん・田根楽子さん・辻萬長さんです。
話はちっとも暗くなかった。面白く、笑いも多かったです。
時代がちょうど戦争をはさんだ前後でしょう。私には想像できないけど、嫌な時代よね。自由に物が言えない時代・・・・。
軍国主義時代は軍国主義を訴えて、敗戦で民主主義になれば、コロッと変わって民主主義。「なんで、そんなにすぐに変われるんだ!」って反発する太宰のセリフがあるのだけど、それを聞いていたら太宰って、誰よりも純粋で、時代の移り変わりについていけなかった人なのかな?と感じ、自分の生き方を探し求めていたんだろうな~~なんて事を思ったりしました。
でも、心中とかしているんだよね。やっぱりわからん・・・
もうひとつ、太宰のセリフで「親友に出会えた事だけでも、生きている意味がある」って言うのがあったんだけど、印象深かった。この直後「長生きした~~い」って言うのね。でも、自殺でしょう・・・・・悲しくなったなぁ。舞台では太宰の最後までは演じません。親友2人が亡くなり、悲しんでいるシーンで幕でした。
馬渕さんと田根さん女性陣は、7役を演じるのですが、みごとだった。すごいね~~役者さんて・・・。
ずっと津軽弁を話す辻さんもみごとでした。津軽弁って難しそうだよ。英語に似ているっていうくだりもあって、これは笑えたな。
久しぶりに太宰の本を、いろいろ読みたくなりました。
こまつ座の次回公演は「父と暮らせば」(6月公演)だって、これ宮沢りえさんで映画になったよね?観たいと思っていたの。楽しみだわ。
8月と12月にも公演があるけど、12月は大竹しのぶさん出演だって。しばらく、こまつ座観劇は続きそうです。