コクーン歌舞伎『佐倉義民傳(さくらぎみんでん)』を観てきました。
農民のために一人闘った人の話・・・・なんてことだけしか分からず、軽い気持ちで足を運んだのですが、とんでもなかったです。素直に良い芝居でした。終演後、ちょっと興奮気味になってしまいました。
年貢に苦しむ百姓のために立ち上がる名主の木内宗吾(勘三郎さん)、領主(扇雀さん)に直訴する。この領主が、世間知らずっていうか・・・いいとこのボンボンっていうか・・・いい人でこの直訴を聞き入れ、より百姓・民に近づこうとする。
いい人だけに、悪い知恵をいれられると簡単に染まってしまう。この場合、悪いのは家老(弥十郎さん)「百姓に近づくためには、倹約する必要がある・・・」とか言って、年貢については白紙状態になる。
ならば、公方様に直訴しようと心に決めて、将軍家綱に直訴をする。結果的には話を聞いてもらえるのだけど、公方様に直訴をすることはとんでもない事で罪に問われて、磔にされる。
ここらへんのくだりが、とにかく泣ける。それも悲しいだけでなく、悔し泣き・・・・・・・。だって、民のために良いことをしているのに、何故に磔?それも一族全員・・・・・。もうただただ悔しかった。
こんな悲しいまま終わりなの?って、思ったのだけど、終わりではなかったのね。この後の構成がとっても面白かった。
そして、舞台全体の進行がラップだったのに驚いた。韻をふんでラップで物語が進行していく。これが妙に舞台と合っていて、斬新な感じもするけどしっくりときたよ。
舞台セットも大きな大きな箱に土を入れて、それが稼動する。箱ごと動かして、場面がどんどん変化して見せたり・・・・・面白かったです。
客席も前方は桟敷席です。出演者がそこを通ってみたりもします。客席も舞台のようになっていて、勘三郎さんや橋之介さんが2階席に出没していました。
扇雀さんは宗吾の妻役と、領主の2役。妻には泣かされました。
昔のお話だけど、現在にも通じる部分があり、それを感じさせるのがラストのラップ。
なんかね・・・・・・平和の大切さを感じる舞台でした。そして、現代はこのままでいいのか~~って問われているようだったな。
いろんな事を感じられる舞台だと思う。今日が初日なのだけど、たくさんの人に観てもらって、いろいろ感じた事を話し合いたいな~~~と思ったよ。
今回のコクーン歌舞伎・・・・チケット代金がちょっとお高め(←私にとって)だったけど、とっても大満足な舞台でした。
他の出演者に、七之助さん・笹野高史さん・亀蔵さん達がいます。七之助さんは、女形はもちろん、将軍家綱にもなっていました。家綱・・・・・きれいだったなぁ~~。