NODA・MAPの『ザ・キャラクター』を観てきました。
観終わってこれほど、気分が悪くなる舞台は初めてでした。気持ちが悪くて・・・・・・・決して舞台の内容が良くないというわけではないのです。
何故これほど気分が悪くなったかと言うと・・・・・・
舞台は書道教室。ギリシャ神話を盛り込んで話が進みます。最初は野田さん特有の言葉遊びですすみ、笑いもあってとても面白かったのです。ところが、中盤以降・・・・・・これはもしかすると、実際にあったあの事件が題材ではないか・・・・それと共に村上春樹さんの「1Q84」も思い出し・・・・人が殺され、傘とビニール袋が出てきた時には、予感は的中しました。
客席も一体になっていたと思います。中盤以降は笑いは全く消えて、水を打ったような静けさに・・・・・・・・。
怖くて泣けてきました。架空の見えない怖さではなく、現実に起こったこの事件の怖さ。人の気持ちがこんな風に変化してしまう怖さ。信じきってしまうことの怖さ。のめりこんでいく怖さ。逃げ場がなくなる怖さ。人はこんなにも脆いものなのか・・・・。
何が救いになるのか・・・・・・・・・。
重いテーマでした。観終わって、心にこんなに重いものが残った舞台は本当に初めてで、だからなのか・・・・・吐き気もしてきた。重たいものを吐き出したい気分。
出演は宮沢りえさん・古田新太さん・藤井隆さん・美波さん・池内博之さん・田中哲司さん・銀粉蝶さん・野田秀樹さん・橋爪功さん・チョウソンハさん達です。
皆さん、熱演でした。
でも、怖かった。