上川隆也さんの舞台にハズレはないなぁ~~と、今回改めて思いました。
その上川さんが出演している、『陽だまりの樹』観てきました。
舞台設定は幕末、この時代は想像以上に大変時代なんだろうなぁ~と思う。武士と言う職業がなくなるって、すごい事だと思うのね。
医者である手塚良庵(上川さん)、武士の万二郎(吉川晃司さん)がそんな時代を生き抜く話。蘭学医と漢方医の争い、黒船来週など次々色々なことが起きる。その分、テンポがよく飽きることのない物語です。
笑い部分も多くて、楽しめる舞台でした。
吉川さんは、声を低く保って生真面目な武士の役。出演者が何度も笑わせようとしているのではないかと思わせる場面あり。特に勝海舟役、コンボイの瀬下尚人さんはとっても楽しかった。自由に踊って喋って・・・・何とかして吉川さんを笑わせようとしていたような・・・もちろん、客席が先に笑ってしまうのですけど。
上川さんの父親役、石倉三郎さんも自然体の演技で楽しかったです。客席から登場して、お客さんとの絡みシーンがあるのですが、全くノープランの様子がわかります。案の定、上川さんがツッコミます。そのやりとりが笑いの連続でした。
幕末に黒船がやってきて、外国とどのように付き合ったらいいのか、模索していた時代。大老井伊直弼と武士との関係。吉川さん演じる万二郎は、井伊直弼暗殺に加担することになるのか・・・・はっきり、答えはでないまま幕となります。
万次郎は外国人警護の任につくのだけれど、恋人がその外国人に乱暴される悲劇に見舞われます。
寡黙な万二郎が『悔しくて、悔しくて・・・』と恋人への思いを吐露する場面には涙がこぼれました。そんな思いからも、より井伊直弼に対する思いが強くなるのです。
上川さんが必死に止めるのですが、止まらない。上川さんの、『生きるんだ!!』と言う言葉が印象に残った舞台でした。