ぷ~さんのブログ

観劇、読書、趣味の手作りなど、日常で感じたことを書き込んでいきます。

観劇10(きらめく星座)

2023-04-22 20:17:39 | 観劇
こまつ座の『きらめく星座』を観劇してきました。

2014年に観劇しているのですが、私の記憶が全く曖昧で、まるで初めて観劇したかのようでした。

出演は松岡依都美さん、久保酎吉さん、村井良大さん、粟野史浩さん、瀬戸さおりさん、後藤浩明さん、木村靖司さん、大鷹明良さん、高倉直人さん、小比類巻諒介さんです。

物語は昭和15年11月3日から始まります。小さなレコード店オデオン堂が舞台。

長男が陸軍を脱走して憲兵に追われたり、非国民と言われたり、つらいシーンもあるのだけど、笑いがあちこちにあり、ホッとすることができます。この家族、脱走した長男を絶対に責めないんですよね。逃避行を続ける長男を明るく見送るんです。
久保さんと松岡さん演じる信吉、ふじ夫婦がとても良いです。イヤな時代だけど、人としての信念が二人とも揺るがない。だからこそ、息子が脱走しても責めることはないのかなぁ。

特にふじ役の松岡さんが素敵でした。
辛ければつらいほど、明るくやり過ごす、そんな感じの人。心には悲しみをいっぱいためているんだろうなぁ。

長女は傷痍軍人と結婚するのだけれど、この傷痍軍人役の粟野史浩さんの人としての変化が心に残ったな。
典型的な軍人、脱走なんて許さない、そうやって教え込まれているのだけど、この家族と共に生活していく中で、少しずつ人間らしさを取り戻していく。その変化が良かったです。

音楽好きの二人が間借りしているオデオン堂。ラストはそれぞれが旅立っていきます。大連に向かう人、長女は夫の通院のため下町へ、オデオン堂の夫婦はお店を経営することにストップがかかり、妻の実家の長崎へ向かいます。
時は昭和16年12月7日。大連、長崎、下町…これからの歴史を思うと、とてもつらい。どうか無事でいてほしいと願ってしまう。

後半の人間とは?の問いかけに答える大鷹明良さんのセリフ。
広い宇宙の中で地球があることが奇跡、その地球に命が宿った事も奇跡、生まれたこと、生きていること、みんな奇跡。だから、生きていかなくてはいけない。

心にずしーんときました。生きることを大切にしなくてはいけない。こんなに大切なことを忘れてしまうときがあります。
その大切さを気づかせてくれる、こまつ座の舞台、やはり好きです。

客席は空席が目立ちました。とても残念…。実際に戦争が起こっている今、多くの人に観てもらいたい舞台です。
コメント
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