心理学や社会学においては、「共感」は自然にできると考えられている。これは以前問題提起した通りだが、中でも一番問題なのは、「共感」の定義が多様で曖昧なことに他ならない。例えば、「共感」のもとになったsympathyはロングマン英英辞典において三つの意味が紹介されているが、共感の方は「全く同じように感じたり理解したりすること」(広辞苑)という一つの意味しか持たず、また「全く同じように」という部分がsy . . . 本文を読む
これまで、様々な形で共感という言葉とその使用について述べてきた(フラグメント19、なぜ言葉を曖昧にするのかなど)。この言葉をゲームや本の内容に対してさえ平気で使っているところに日本人の親和性の高さが端的に表れているが、その事実(親和性の高さ)を言葉の使用者が自覚しているようには思えない。この無自覚さは一体何に基づいているのだろうか?思うに、西欧の「個人」を理想と仰ぐことで集団の要素が隠蔽されてしま . . . 本文を読む