ひぐらし祭囃し覚書~皆殺し、澪尽し編との対比など~

2009-01-18 19:35:28 | ひぐらし
カケラ紡ぎの演出意図の分析前回の覚書によってカケラ紡ぎまで書き終えたので、以降は本編の覚書に入る。


☆澪尽し編は桜花による母の懐古、祭囃し編は鷹野による父の懐古で始まる
これは序盤の話だが、書き忘れたので念のため。「梨花ママについて」、「祭囃し編と母親」、「家族に関して」と関係する。ちなみにかつての「澪尽し編覚書」では礼と比較して「母への懐古が浮いている」と述べているが、これは誤りである。祭囃し編の初プレイがいかにボンクラな(何も考えてない)ものだったかよくわかる。今回についても、澪尽し編における違和感の萌芽とその記録がなければそのままスルーしてしまっていただろう。


さてここからは祭囃し本編のお話。大団円という結論が決まっているため、連鎖的な展開でプレイヤーを飽きさせないようにしようという工夫が随所に見て取れる(余談だが、連鎖的な展開の描写で優れた作品としては沙耶の唄が挙げられる)。


◎赤坂たちは「東京」の公金漏出の内偵を続けてきた
赤坂が雛身沢を訪れる必然性を構築することが目的。詳しく言えば、打ち止めの指示によって1:入江診療所の名前を確認、2:(長期)休暇が出る=雛身沢に長期滞在が可能という展開。


◎羽入…罪を引き受けて死んだbut不和の原因は彼女らの移住にも原因あり
羽入は罪を引き受ける存在であることが強調されているが、but以下を考慮するなら彼女は単なる被害者、あるいは「悲劇のヒロイン」ではない。


◎「古手の血は、母に人の罪すべてを背負わせ葬った呪いの歴史」
梨花と母親、鷹野と保護者…ネタとしては「小泉暗殺


◎赤坂が飲み屋で古手梨花の「予言」について打ち明ける
メンバーは大石、鑑識、熊谷(店員は寝ている)…なんて覚書があるのは、アニメ版と違う気がしたからだが、19.20話で確認した結果、勘違いということが判明。


◎古手家での会議
鷹野と遭遇した後で梨花と羽入が話し合う。梨花が絶望しかけるのは、犯人を知ればOKというものではない段階にきていることを示す。ちなみに言えば、ゲームでは羽入は鷹野が犯人であることを覚えているが、アニメ版では忘れていたことになっている。アニメ版ではカケラ紡ぎが存在しないため、羽入とプレイヤーの共犯関係が成立していない。それゆえの変更か?


◎「動機を説明できない限り、富竹や入江を説得できない」
と梨花は言うが、これはプレイヤーに対しても当てはまることだ。これは皆殺し編における

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どういう仕掛けで、どういう風に入れ替えているのかは見抜けないが、
そういう結果になる「過程」を通しているのは間違いない。…こういう時、
その「過程」が具体的にどうであるのかを知る必要はない。どういう目的で、
どういう結果をもたらそうとしているかだけで充分だ。
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という梨花の発言(inおもちゃ屋)と矛盾するように思える。もし祭囃しの発言が今引用したものを意識した上で書かれているのなら、それだけ後者に対する批判が出たということだろう。詳しくは「ひぐらしの真相を批判する~推理という観点から~」を参照。


◎ゲーム盤のルール…「まるで説明書のないゲームのよう」(by羽入)
「ルールの推理」に関する批判・反発は公式掲示板でも随所に見られたと記憶している(まあ都合よく記憶を塗り替えている可能性は否定できないが)。羽入の発言はそれに対する返答とも読める。私個人の見解については「皆殺し編レビュー批判:「最初から…だった」は成立するか?」、「プレイ時期のズレとバイアス」などを参照。

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