「俺にはまだ隠された力がある」
というのは(特に)男性向けコンテンツでよく見かけるパターンだが、これを現実で言うと残念な中二病の典型のように聞こえてしまうのはなぜだろうか?思うにそれは、虚構であれば展開をおもしろくする演出として機能するが、現実では「まだ俺は本気出してないだけ」と言わんばかりにリアルを受け容れられない幼児性の象徴となってしまうからではないか・・・なーんてことを、ちちをやのPCで書いているとあやしうこそものぐるおしけれな心持ちになるカラヤン伯であります(゜∀゜)つかオヤジよ、せめてWindows8にはアップデートしとこうよwww
さて、今回は葵 菜月のシナリオプレイ中編となります(前・後編にしようと思ってたけど分量多すぎて断念)。前編では、euphoriaという作品のメタメッセージの的確さ(演出の巧みさ)と淫語の演出のギャップについて述べ、それこそがこの空間の虚構性を表している示しているのかもしれない、と指摘した。それで、中編はどんな風に書いていこうか思案していたが、結果この記事まではネタバレなしとし、次回から「オールネタバレ解禁」でいくとにした(もちろん、その段階で知りえる内容に限るので、euphoriaの深層には部分には触れないが)。というのも、後編からは展開の説明をしないと、後の凛音・真中シナリオで言及するであろう強烈な苛立ちとかが意味のわからないものになってしまうと考えるからだ。まあそんな前フリの上で以下前編レビューの続き。
二日目の課題を終えたところで、「ボーナスゲーム」なるものが提示された。これをクリアすると豪勢な部屋に入れるらしい。薪羽がキャッキャッとはしゃいでゲームをやってほしいと言う。いやあの、菜月がどんなことされてるか一応は映像で見てるわけだよね?ついでに言えば委員長の死も間近で見てショックを受けたわけだよね?にもかかわらずそんな戯言をほざくのか。じゃあテメーがやれやこのメスガキが!と思うわけだが、生憎と挑戦できるのは主人公と菜月だけとあってはそれを要求することもままならぬ。うーし、じゃあ次にプレイするのはお前のシナリオな。自分が犠牲になるとわかった時、どんな反応をするのかしかと見届けてやろう( ̄ー ̄)あ、真面目な話もしかして薪羽さんて壊れた子?喉をかきむしったり、ぼがえりなじゃいと言われたり、生きている人いますか的な作品群をプレイしてきたので、どうもそういうところには敏感に反応しちまうぜ。
ちなみに、あえて言うなら、この薪羽の諸々の発言は、エロゲーキャラのテンプレを連想させるわけだが、それゆえに、真中や凛音の突っ込みが的確であることと、製作者側が完全に意識してこのような言動・関係性を描いていることが確認された。しかし、ここまで演出が行き届いていると、ボーナスゲームの狙いを考えないわけにはいかんね。プレイ内容が「課題」というよりただのイチャイチャに近いものを考えると、(まだ三日分残ってるけど)今あなたは○○ルートに入りつつありますよ、てことを示す意味はありそうだ。しかし、これがそんなヌルい作品かねえ?まあVIPルームの食事シーンをわざわざ放映しているところからすると、グループの不和・対立を煽る意図は間違いなくありそうだが、ここで映画esでの役割分担を連想するとともに、ほぼ初めて主催者側(?)の悪意に近いものが見て取れたような気がした。
三日目・四日目。特になし。基本的に俺は羞恥プレイに興味がないんだよなあ。なんせ、あえてエロ漫画の顰に倣ってコーヒーに子種汁(それ風に書いてみたw)を入れて飲んでみたが、コーヒーの味しかしない!意味なーいじゃなーい(ここでなぜか昔の恩師出口汪の口癖が発動w)!!とか突っ込みながらゲラゲラ笑っていたくらいだけんねwことほどさように、あたいダイレクトな(物理的)気持ち良さにしか反応できないお子様ですけに(∀`*ゞ)テヘッあと、筋視姦剤は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」がおもしろかったね(゜∀゜)力みなくして解放のカタルシスなし!と場違いなネタを思い出しながらプレイしてましたよとw
二回目のボーナスゲーム。なんかもうルーティンワークですな。首輪による認識の操作が明確に言及されたくらいか。しかしそれも、委員長の処刑シーンや「開錠」の課題提示シーンで繰り返し意識させられてきたわけで、どちらかというと「確認」のニュアンスが強い気がする。こういったことを踏まえると、菜月の順応力が高すぎることや主人公との関係性の深化が違和感ありまくりだ。繰り返すが、凡百のエロゲーならそれほど驚くべきことではない。何となくそれっぽいシチュエーションを準備し、ご褒美としてエッチシーンが提示されて終わり、というのが結局のところ大半のエロゲーの構造だからだ。いや、というか多くの作品もそれほど変わらないだろう。特にラノベやSFと言われるようなものは、たとえば涼宮ハルヒシリーズにおいて(おそらくもっとも根本的な疑問であろう)なぜ他でもない涼宮ハルヒが特殊な存在なのかが全く説明されることがないように、荒唐無稽な設定を所与のものとして描く傾向がある。euphoriaのSF的な世界はそれゆえ、本来特に世界のあり方を主人公たちが意識している描写をせずとも、割とそういうものとして成り立たせることも可能であるはずなのだ。しかしそれにもかかわらず、認識の操作に繰り返し言及し、世界の構造を暴こうとするのが、このeuphoriaである。とするならば、全く何の意図もなくこんな隙だらけの描写をするものだろうか?もちろん、ある人物と懇ろになる(笑)のに現実として常に必然性があるわけでもなければ物語上そう要求されているわけでもない。しかし、ことこの作品においては見過ごすわけにはいかないのである。
・・・という違和感の中で五日目終了。うーん、どう表現していいのかわからんけど、最初が電気椅子だったのと、二回目が鼻フックだったのとでなんつーかその後がすべからく凡庸に見えるんだよな(まあこれは前回言及した淫語のせいでどうも真面目には見てられんてのも関係してるんだろうけどw)。もっと言ってしまえば、開錠条件は全て「頑張ればクリアできなくはない」もので、ある意味(クリアさせる気のない)無茶な要求ではない点が、「試練」のようにも見えてくるというか(ここが「CUBE」と異なる印象を与える)。
さて五つ目のミッションをクリアしたらどうなるのかしらん・・・ (後編へ続く)
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