さて、周回遅れのビースターズアニメ版レビューだが、7話で最も印象的なシーンはやはり最後のレゴシだろう。
普段のレゴシの抑えた演技が、感情の表面化をより印象付けているのは論を待たないとして、今回の表情は怒るシーンより遥かに凶悪な感じ(笑)がする。
しかし、原作は白黒なのでそこまで意識しなかったけど、カラーになるとこの演出意図は明確だよなあ。あえて説明するなら、キャップの閉まった何本もの絵具はレゴシの複雑な感情とそれに蓋がされた状態の暗喩で、それを握りつぶして(噴出させて)顔に塗りたくるというのは、それこそ赤(怒り?)・青(哀しみ?)・黄(喜び?)といった様々な色が押さえきれなくなり、そうしてとぐろのように混ざり混ざった感情を「噛みしめている」ことを示しているのだろう。
もちろん、背景にはレゴシの自己肯定感の低さがあって、これがジュノの好意に気付かない必然性も付与しているのだが(あえて言えば、連載ものラブコメにありがちな、引き延ばしのための紋切型展開ではない)、ここからの展開は原作を今見返しても神懸っているとしか思えないくらい引き込まれるものなので、アニメ版の方も期待したい。
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