「電波系」についての補足

2006-04-25 00:01:27 | 感想など
「電波系」が問題にされる場合、最も多く指摘されるのはおそらくその「没交渉性」だろう(あるいは「自己完結的」とも言える)。没交渉性とは、こちらからのアプローチに対する応答の悪さ(or無さ)、および向こうからのアプローチが非常に「独りよがり」であるという特徴を表している。前者は、先の記事で述べたような説明能力の欠如・不足であり、後者は人が話している際にいきなり違う話題を喋りだしたりすることなどが例として挙げられる。

説明能力について、個人的な経験を一つ話しておこう。
大学二年の時、草サッカーをやっていた最中に大雨が降り、ゲームが流れたことがあった。サークルの部室に戻った後で雨が止み、みなで飯を食いに行くことになったのだが、そのとき私は裸足のまま出かけた。まあ当然のことながら周りの人間は驚いていた。このまま行けばめでたく「電波系」(あるいはハイレベルな「変人」)となっただろう。

しかし、私は自分の考えを容易に説明することができた。それを説明すると、「確かに裸足で出かけることは一般常識的にありえないし、またガラスの破片などが落ちていてケガをする危険性があるという理論的なデメリットが存在する。しかしながらそれ以上に、雨を多く吸って『ウォーターブーツ』と化した靴を履いて外出&飯を食う不快感に耐えられないのだ」というものだった。

この場合でまず重要なのは、私が世間一般のやり方を認識しているのだと提示することであった。そしてその上で、そのような世間一般のやり方を否定するに足るくらい、濡れた靴を履くという行為が不快なのだということを明示したのである。もちろん、この説明で万人を納得させれるなどとは思っていなかった。しかし少なくとも、これで私の思考過程が明確に示され、最低限理解することは可能になったのであった。

こうしておけば、周りの人間はいくらでも対応のしようがある。一番あり得るのは「それでも靴は履くべきだろう」という意見を提示することだ。あるいは少数ながら、「私もその考え方に賛成だ」という反応を示す人がいるかもしれない。しかしいずれにしても、何より重要なのは、

説明することで交渉と理解の契機が生まれる

という(ごくごく当たり前の)事実である。欧米の弁証法、論理構築方法が生まれた理由を考えれば、このことはよりよく理解されることだろう。

ゆえに、「電波系」がその立場を脱するためには、このような相手に届く言葉(説明のしかた)を身につけることが必要と言える。
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5 コメント

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懐かしいね (うに~)
2006-04-25 01:10:12
ダンボールでサンダル作った彼は元気だろうか。

そしてサッカー大好きっこだったO君は今どこに…
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Unknown (Jがイル)
2006-04-26 23:19:04
私は最近、というかずいぶんと前から、会話の中で相手の話を処理しきれなくなることが多々あり、受け答えもめちゃくちゃになっています。

頭の中のインテル欠けテル?みたいな?

どうみても電波系です。本当にありがとうございました。
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ゲレゲレが最高に決まっている (ボゲードン)
2006-04-27 00:34:57
うに~様。



彼とは大学院在籍中に一度会ったっきりですね。これからどうするのかとかを聞き忘れたのが悔やまれます。



Jガイル様。



あれれ、そいつはいけませんな。むしろ「お前は次に~と言う」などと先取りをするくらいにならないとw



ちなみにそれがしは「目が疲れた」と言う同僚に対し「ムスカ?」と聞いて電波系になりかけまちた。それではよひ終末を…
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目、 (ぴきた)
2006-04-27 19:18:06
目が~。



そのぐらいで電波系なら俺も電波系になれるかな。
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なれるんじゃね? (ボゲードン)
2006-04-28 01:57:58


上手く説明できればエスプリのきいた人間と目されるし、できなければ電波系になる。





これカテゴライズ好きな現代における両極端の法則、なーんつってな(・∀・)
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